パーティー会場に着いて車を降りると
満面の笑みのドアマンが、
重厚な扉を軽やかに開いてくれる。

ヒールの音が響くエントランス。
視線の先には、グラスを片手にした彼女の友人たち。
今日は、彼女のバースデーパーティーの日だ。
横を歩く娘も慣れたもので、
パーティー好きの彼女に似たのか、

たくさんの大人達にかわいがってもらえるのが嬉しいのか
今日も瞳をキラキラとさせていた。

もう10年以上も前。高校の卒業式のあとに、
クラスメイトとダンスパーティーをしたのもこの場所。
以前は自分がパーティーの主役だと思っていたけど、
今は、みんなに楽しんでもらえることが
一番だと思えるようになった。

大人になって変わったのはそれだけじゃない。
生まれ育ったニューヨークの街だけじゃなく、
世界中のことを知りたいと感じ始めている。

子どもが生まれてからは、
チャリティ活動にも興味がある。

年を重ねるたび、自分が変化していることに
驚きと楽しさを見つけて。

周囲の人から、いつも素敵な刺激を受けていることに
感謝をして。

「今日は楽しんでね!」と、
彼女は思い切りシャンパンの栓を抜いた。